厚労省も関係している血液クレンジング
血液クレンジングとは、1979年に日本酸化療法医学会が開発した治療法です。
この治療を生み出したのは、医学会の創始者である東京大学医学部血液内科教室の
井熊平八教授で、翌年の1980年には厚労省へ臨床実験の申請もなされました。
当時は申請から約2か月間で臨床許可が下り、東京大学医学部付属病院で臨床実験がなされました。
この実験では、計30名のアレルギー患者に対して血液クレンジングに必要な
H2点滴と高圧酸素タンク室の工学治療が併用され、1981年に治療結果が
厚労省に提出されました。
この時30人中18名が、血液検査の結果アレルゲンを大幅に減少させたことを数値で確認できたことで、
血液クレンジング療法は正式な医療処置という見解を発表するに至りました。
1985年には医療認可も下りて、東京大学医学部付属病院をはじめ
関東圏内の総合病院で治療を実施する箇所が増加しました。
しかし、この治療には高圧酸素タンクという特殊な医療器具を用いる必要があるため、
健康保険外という自由診療の枠組を取り除くには至りませんでした。
この医療器具の導入には約5,000万円以上の費用が必要であり、現段階でも
治療を実施している医療施設は全国で25か所に限定されています。
オゾン療法に対する厚生労働省の前向きな姿勢
2010年に日本酸化療法医学会が発表した新治療の「オゾン療法」は、既存の血液クレンジングの
一環ではあるものの、手軽におこなえる静脈点滴というスタイルになったのが特徴です。
既存の療法の場合、高圧酸素タンク内に患者が入り、高濃度の酸素を吸引する必要がありましたが、
オゾン療法ではオゾンを高濃度に凝縮した生理食塩水を患者に点滴するだけで、
血液中にオゾンと酸素を効率よく含ませることが可能です。
これによりアレルギー疾患であるアトピーの改善とプラスアルファ、美肌効果という
美容面にも作用をする効能が臨床研究で明らかとなっています。
点滴のみしかしないため、治療費が高額になることがなく2019年に厚生労働省では
2021年をめどに、オゾン療法に健康保険を適応させることを明言しました。
また、昨今は約400万人ものアトピー性皮膚炎の治療をなされている患者がおり、
この方達を対象にしてオゾン療法を積極的におこなうようにと厚生労働省から
全国の医療機関に正式な通達もなされています。
2010年に認可が下りた新しい治療法ではあるものの、高い効果を各臨床現場で
発揮しているため、今後はさらに多くの医療機関で受けられる治療だといえます。